法人第14期開始のご挨拶


令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。また、被災された方の救済と被災地の復興支援に尽力されている方々に深く敬意を表します。

当団体でも石川県の義援金口座に陸前高田市民の皆さまからお預かりした募金を送金させていただきました。発災直後から続いた緊急期が終わろうとしています。現在は仮設住宅への居住が順次進んでいる段階で、避難所は順次統合、そして閉所となっていくはずです。仮設住宅の設置はまだ予定戸数の7割とのことですが、その先にはまた違う大変さがあることは経験した私たちもよく分かっています。決して以前の通りにはならないとしても、目指す復興を定め、そこへ向けて歩みを続ける皆さまを心から応援しております。

「私たちは悔しいんです。」という思いのもとに始まった桜ライン311も、7月1日をもちまして法人14期の期首日となりました。組織を預かる立場としてやはり期末日、期首日は気持ちがとても引き締まります。続けることの難しさと楽しさが同居する、そんな気持ちです。

東日本大震災の被害は、ほとんどが津波によるものでした。未曾有と形容された大災害でしたが、今は周期的なものであることが地質学上明らかとなっています。必ず起きる次の大震災の時に、人的被害をどれだけ軽減できるか。それが東日本大震災の教訓を後世に伝えられたかということに直結していると私たちは考えています。そのための「伝承」です。

災害で生まれる悲しみを2度と繰り返さない未来を創る。そのために陸前高田市に避難の目印となる桜の並木を作り、保存し、その意味を伝え残していくこと。その過程に震災を経験していない人にも関わってもらい、災害を「他人事」(ひとごと)ではなく「自分事」に変えてもらうこと。設立時から今も続く私たちの願いと覚悟です。

2011年10月に任意団体として始まり、翌12年5月より法人として事業を開始。14年5月からは認定NPO法人となり事業を継続してまいりました。植樹事業にご参加いただいた方は9,028名、植えた桜は2,252本となりました。植樹の許可をいただいた地権者さまは430名を超えています。私たちの努力は当然ですが、そこに地域の皆さま、日本全国の皆さまの共感と参加があることが私たちにとっての大きな力です。

初期に植えたものは場所によってかなり大きくなり、満開の花を咲かせるものもあります。それは同時に大きな木を管理するという難しさという側面もあります。また、毎年増えていく本数による作業量の増加もあります。より効率的に、より効果的に管理出来る手法を継続的に試行錯誤しているところです。今年1月から管理作業専門の実働部隊を作るべく5名のパートスタッフの方を採用しました。市内で作業をお見かけの際は、是非お気軽に声をかけていただけましたら幸いです。

あの日から時間が経てば経つほど、伝えていくことの重要性は増していくものです。本年度もより多くの方に、共感していただきご参加していただけるよう尽力してまいります。本年度も昨年度と変わらぬご支援とご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

認定特定非営利活動法人 桜ライン311 代表理事 岡本 翔馬
役員・事務局一同

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