本日、東日本大震災から13年となりました。


本日、東日本大震災から13年となりました。
私たち桜ライン311の最初の植樹地である浄土寺の今日の景色です。

 

「私たちは悔しいんです。」
2011年3月、東日本大震災は未曾有でもなく想定外でもなく、おおよそ1,000年に一度の頻度でこの地域を襲う周期的な災害だという報道がありました。その報道を見た時に、私たちの胸に込み上げてきたものは「悔しさ」でした。もし18m近い津波がまちを襲う可能性があると分かっていたのなら、これだけの命が失われることはなかったのではないか。
次の東日本大震災は必ずやってきます。その時にこの地域に住む人々の命を守りたい。
そのために津波の最大到達地点に桜を植え、後世に避難の目標として伝え残していきたい。

こうして私たちの桜ライン311は2011年10月に始まりました。その総延長は170km。陸前高田市内の最大津波到達地点に10m感覚で桜の木を植え、17,000本の桜並木を後世に伝えることを目標にしました。同年11月に植樹を開始、地域の住民の皆さまに加えて、日本全国の皆さまのご共感とご尽力をいただいてきました。先日の春の植樹会(3/9)時点となりますが425箇所、植樹本数は2,213本、植樹事業への参加者は累計8,496名となりました。

あの日から13年。復興事業は完了したものの、まだまだ市街地や防災集団移転の高台には空き地が目立ちます。瓦礫の処理、嵩上げ、区画整理、そして各種建設と目まぐるしい速度でこの街は変わってきましたが、ここ数年はやや穏やかな速度に変わっています。そのことが「停滞」とならないように、この街の挑戦は続いていきます。私たちに出来ることは微々たるものではありますが、ささやかでもこの街の復興を後押ししたいと願っています。

また、元旦には令和6年能登半島地震が発生しました。
お亡くなりになられた方も多く、現在も厳しい状況下で過ごされている方も多い状況です。犠牲になられたすべての方へのご冥福と、被災された方の1日も早い復興を祈っています。今回に限らず、次の「被災地」と呼ばれる場所は否応なく増えていきます。災害「後」の対応はもちろん重要なことです。一方で、もう少し「事前」防災が拡がっていけばと悔しく思っています。各種の検証が行われるのはもっと後のことだとはもちろん承知していますが、事前防災によって助かった命や生活はあったはずです。そしてそれが県や自治体だけではなく、個人の方に拡がっていればと悔やまれます。事前防災を訴える団体として、次の災害に何が出来るのか?より深く考えて行動していきたいと思っています。

どれだけ時間が経っていっても、あの日の悔しさが晴れることはありません。
一方でその悔しさを包むこむように、共に行動し続けてくださる方々は年々拡がっているとも感じます。震災への思いはそれぞれでも、あの日の教訓を忘れてはいけない。という思いは共通です。地権者さまや地域の皆さま、足繁く植樹に参加してくださるボランティアの皆さま。そして日本全国の個人・法人の寄附者の皆さま。この事業を進めようと尽力してくださる皆さまが数多くいることは私たちの誇りであり、推進力です。心より御礼申し上げます。

防災減災という分野はとても心理的なハードルも高いものですが、それを下げて参加に繋げられるのが私たちの事業の強みだと思っています。先月には大阪マラソン関連の取り組みも実施させて頂きましたが、これからもそれぞれの場所で主体的に関われるような仕組みを構築していきたいと思っています。是非今後共よろしくお付き合いをいただけたら幸いです。

また例年お問合せをいただく開花時期ですが、今年の桜は記録的な暖冬により桜の開花が早まりそうです。昨年ご好評を頂きました満開時のライトアップについてはもう少し時期を見定めて日程を固定したいと思っております。事務局でも浄土寺を中心にそれぞれの品種の開花状況の把握に努めているところでもありますので、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

桜の花が春に固い蕾を開くように、減災の意識が多くの人に根を張り、花を咲かせる日が来ることを信じて引き続き歩み続けてまいります。

認定特定非営利活動法人 桜ライン311
代表理事  岡本翔馬

 

※なお本日3月11日は、スタッフそれぞれが東日本大震災と向き合う日として業務としてはお休みをいただいております。よろしくお願い致します。

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