東日本大震災から4年。
今年も浄土寺でその瞬間を過ごすことが出来ました。
時間を見れば、もう4年であり、
気持ちからすれば、まだ4年。
見える景色は一年前とは大きく変わり、
今は復興への力強い歩みを見ることが出来ます。
「私たちは、悔しいんです。」
東日本大震災を後世に伝える為に始まったこの活動も、
三年半が経ちました。
あの日多くの人が犠牲になった陰には、
過去の津波被害の風化がありました。
風化は避けられないもの。
しかしそれを変えない限り、
津波で亡くなる命を減らすことは出来ません。
僕らの感じたあの悔しさを後世には感じて欲しくない。
その想いを桜に託し植樹活動を続けてきました。
今までに植えてきた桜は市内169箇所に767本。
植樹に参加してくれたボランティアの皆さんは2,136名にもなります。
この桜は僕たちだけで植えたものではありません。
高台への移転などで不安定な土地の状況の中、
僕らの活動を理解してくれた地域の地権者の皆さま。
未来の命を守りたい、その想いに共感し、
桜の苗木を提供してくれた全国の皆さま。
そして東北に想いを寄せ、
寄附や様々な活動で私たちを支えてくれている皆さま。
そんな皆さまと一緒に植えてきた767本。
その一本一本に多くの想いが込められています。
復興が進まないと植えられない場所が非常に多い現状の中、
こうして歩みを止めること無く活動をして来れたのは
一重に皆さまのお陰だと思っています。
僕らだけではきっと続けることは出来ませんでした。
心から感謝致します。
東日本大震災は悼ましいものです。
4年という時間の経過は一見その傷を目立たなくするかもしれません。
しかしその傷を更に深くしてしまうことも多々あります。
だから東日本大震災を後世に残すことにやはり躊躇いもあります。
でもこの活動を続けていて感じるのは、
桜が繋いでくれた全国の皆さんの想いが、
地域の皆さんの明日を生きるチカラにもなっているということ。
植樹のシーズンに合わせて何度も地権者さんを訪れてくれる方がいます。
親戚のようなお付き合いをしてくれている方もいます。
きっかけは悼ましいものですが、
そこから生まれた繋がりはそうではありません。
そのチカラを僕らは信じています。
悲しみや傷みが徐々に違うものに変わっていってくれたら。
そう願って止みません。
僕らにとってはずっと追悼の桜であり続けるでしょう。
でもいつか住民の皆さんに愛されるものに変わることを信じています。
今はまだ陸前高田=津波という認識かもしれない。
でもいつか陸前高田=桜の街となる日が来ることを信じています。
その桜並木は災害を伝え、陸前高田の減災を果たすものでありながら、
地域の皆さまや全国の皆さまに愛されるものになるように。
僕らの歩みはまだまだ小さなものかもしれませんが、
17,000本へという目標に向けて一歩一歩、
皆さまと進んでいけたらと思います。
東日本大震災の犠牲となった全ての方のご冥福をお祈りして。
認定特定非営利活動法人 桜ライン311
代表理事 岡本 翔馬
理事/スタッフ一同