震災の記憶を継ぐNPOと、伝統を次世代に継ぐ会社の協業
(タヤマスタジオ株式会社)
■当団体を知ったきっかけ
当社代表の田山は2013年、岩手の伝統工芸南部鉄器という文脈でビジネスを進め、同時に地域課題の解決を目指し、東京から岩手にUターンし起業しました。東日本大震災から約2年が経過していた地元岩手で関わることになった震災復興に関わる若手有志で結成された団体を通じて、岡本代表と出会い、桜ライン311さんとも出会うことになりました。
■社会的な価値、法人として関わる価値
我々人間には「忘れる」という大切な機能がありますが、防災については常に意識をもっていることが、日本においては特に重要だと感じます。石碑ではなく、津波の到達点に桜を植えるという印象的な活動を通じて、それを達成しようとすることは、人間の「忘れる」という本能に抗う意味でとても価値が高いと感じます。そんな貴団体と関わることにより、従業員の防災意識向上はもとより、地場産業として地域とともに発展してきた伝統工芸を今後も発展させていくための当社のスタンスを代弁してくれるような価値もあると感じます。
■関わり方
当社ではお湯を沸かす伝統的な道具である南部鉄瓶を製造・販売しております。2018年に「さくらふぶき」という岡本代表がデザインしたオリジナル南部鉄瓶を桜ライン311さんと共同で開発し、販売金額の一部を桜ライン311さんに寄附する取り組みを実施しています。さくらふぶきという桜の華やかさと儚さが同居し、桜ライン311さんの活動にかける想いが表現されているプロダクトが販売されることで、震災や防災について伝えられ、活動を支える寄附になると言う意味で当社にとってもよい関わり方ができていると感じます。
■関わることで生まれた変化
事業会社が防災や減災、また地域社会に目を向けることは、今後重要な視点になってくると感じます。当社もこの取り組みを通じてメディアに多数取り上げられ、注目していただくことで販売につながりました。事業会社の役割、NPOの役割はそれぞれですが、行政に頼りきるのではなく、そういうものの連携を通じて自立的に地域社会がよくなる仕組みが構築され得る気がします。人が地域社会の中でよりよく生きることに寄与するという会社の姿勢は、地域社会の支持をより強く得ることにも繋がると感じています。
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