2011年3月11日、東日本大震災から5年となりました。
今年も浄土寺で迎えることが出来ました。
「私たちは、悔しいんです。」
未曾有の大災害は本当は想定外ではなく、
過去の津波被害の風化が被害を大きくしたことに
私たちはどうしようもない悔しさを強く感じました。
かならず来る次の大津波。
その時にどうしたら命を少しでも守れるか。
どうしたら残される人々に同じ思いをさせずにすむのか。
私たちが出した答えは「災害の伝承」でした。
陸前高田市の津波最大到達地点に桜の木を植え、
後世に被害を伝えたい。
こうして始まった私たちの活動もあと半年ほどで5年目をまもなく迎えます。
私たちが創りたいのは「災害文化」なのだと最近強く思います。
記憶も、悔しさも、教訓も、そして未来への思いも。
全ての人が意味を持てる東日本大震災にすること。
そうすることが本当に亡くなった人々への追悼なのだと強く思います。
あの悔しさは今も何一つ変わることはありません。
失われていった命の重さも何一つ変わりません。
でもその無念さだけで続けて来れた訳ではありません。
それは多くの皆さまが参加してくれているからこそでもあります。
そうでなければここまでの大きなうねりにはなりませんでした。
私たちだけで出来ることは本当に少ない。
今までに植えた桜は、市内203カ所937本。
参加してくださった皆さんは2,800名を超えます。
実績としては満足のいくものではありませんが、
数字には見えない人々のアクションが私たちを支えてくれています。
明日の状況が見えないなかで、
植樹の許可を頂いた市民の皆さま。
私たちの思いに共感し、
植樹会に参加してくれる全国の参加者の皆さま。
距離を越えて東北に寄り添い、
寄附や講演の活動を用意してくださる皆さま。
そしていつも私たちの活動に、
いいねといってくれる皆さま。
それぞれの思いが桜の小さな苗木に込められています。
そして災害文化が育つ力に、
私たちの明日への力になっています。
心から感謝致します。
5年という月日は、人を癒す時間でもありますが、
一方で傷を深くする時間でもあると思っています。
東日本大震災は今も続いています。
しかし私たちがまさにそうであるように、
震災をきっかけとして生まれた繋がりが陸前高田の皆さまの
明日を生きる力になっていると感じる瞬間も多くあるのです。
私たちの活動はある種の震災遺構を残すことでもあります。
それに対する自問自答は今もあります。
でもその繋がりを桜ラインという形に変えながら、
私たちはこれからも多くの人を陸前高田市に繋いでいきたい。
そして繋がる人々が災害を自分ごととして捉えるきっかけを創り、
震災の風化防止につなげていきたいと思っています。
私たちに寄り添ってくれることはこの上なくありがたいことです。
でも同時にご自身の災害への意識も高まって欲しいと強く思います。
お願いだから災害があった時、生き残れる人になってください。
なによりそのことが亡くなった人の手向けにになることを忘れないでください。
私たちの桜ラインは今月予定している植樹会を終えると1,000本を超えます。
この桜ラインが災害を伝え、次の命を守るものでありながら、
地域の皆さま、全国の皆さまに愛されるものになるように。
17,000本という目標に向けてこれからも皆さまと歩んでいきたいと思っています。
東日本大震災の犠牲となった全ての方のご冥福をお祈りして。
認定特定非営利活動法人 桜ライン311
代表理事 岡本 翔馬
理事/スタッフ一同
いつか現場に行ってみたい…。
行っても何も出来ないけど…。
毎年、津波の記憶の情報が流れると、涙が出てきます。
何も出来ないけど…。いつか現場に行きたい。
コメントありがとうございます。
桜ライン311の岡本です。
いつか一度見てもらえると嬉しいですね。
その場で感じるものがきっとあるはずで、それをご自身の周りにシェアすることも一つの行動ですし、ご自身の災害意識に何かしらのプラスになればと尚のこと嬉しいです。
その時は是非事務局にもお気軽にご連絡くださいね。
最初の1本が浄土寺とは知りませんでした。偶然ですが、4年前に偶然、同級生がここのお墓に眠ることを知り、4~5回お墓を拝みに行っています。
幼稚園から高校まで、時にはクラスメイトだった彼女は、陸前高田で津波により命を落としました。
出来るだけ長く、咲いて、大きな桜の木に育って欲しいです。
後藤様、コメントありがとうございます。
桜ライン311の岡本です。
ご友人のこと大変残念です。心よりご冥福をお祈り致します。同じ事が起きぬように私たちも活動を続けて参ります。
浄土寺は2011年11月に植樹をした最初の一本です。大きなものを植えている事もですが、育成状況も安定していて満開に今年もなってくれると思います。今年は暖冬の影響も有り4月10〜15日頃にピークになるかと思いますが、もし機会がありましたご覧くださいませ。
それでは引き続き宜しくお願い致します。